在宅輸血をしながら、二人で静かにぽつぽつとお話をします。
ぽつぽつながら、たくさんのことを聴かせてもらいました。
お仕事のこと、息子さんたちのこと、ご夫婦の趣味の釣りのこと、今までの治療のこと…。
その日伺うと、朝食を食べ終え、インシュリン注射を自分で行っているところでした。
ゆっくり、自分のペースで…。
傍で見守っていると、
「おかぁが、血糖測るの○○君(女性の訪問看護師さん)に教えてもらって練習してくれてるんや。
ありがたいんやで。ありがたいんやけどな、手元見てたら、危なっかしくて…。
もう、死んでもええと思ってたけど、あんなん見てたら、心配で、まだ死ねやんな。
頑張らなあかんなって思たんや…。」と話してくれました。
今までも、奥さんを一人にするのが辛くて、治療を頑張ってこられていました。
奥さんは、ご主人の体のことを第一に、食材を選び、丁寧に手作りしたものを、少量づつ
種類を多くして、少しでも食べれるようにと、食事に気を遣ってくれています。
「私、お父さんの細胞と闘ってんねん…。」と話してくれました。
お互いのことを気にかけ思いやりながら、在宅で過ごされています。
素敵なご夫婦です。
先日、結婚50年を迎えました。金婚式です。本当におめでとうございます!
ご夫婦の歴史を垣間みながら、ほほえましいお二人の姿に私たちが力を頂いています。